本編
より高い存在になりたかった
自分を傷つけなくとも生きていいと思えるような
感受性が高い方だった、考え過ぎてしまう方だった、ネガティブな方だった、普通じゃない方だった
みんなが言う普通になりたくてとにかく自分を曲げた
まっすぐ生きたかったけどそんなこと許されないし
少しズレてる感覚がずっとあって。1ミリもみんなの感覚に価値観にかすれなくて怖かった。幼稚園児ながらすり減らして生きることを覚えた。
泥まみれのジャンク品でも私は光を信じて生きてるつもりだったけど生きることは私の想像より重かった。死ぬと決めながら生きるより、生きたいと思いながら生きる方がよっぽど重荷すぎた。
みんなが言う普通に近づいてようやく気付いた、普通の幸せというものは私が生きたいと思うほどキラキラしていなかった。
偽りの綺麗だとかそういう薄っぺらい皮なんて欲しくなかった
生まれてありのままの自分を殺すことが正しいなんてあまりにも醜い、今さら遅いけれど
引き算が上手い人間になんてなりたくなかった、最後は結局思い出が美化されるだけの汚いハッピーエンドロールとか迎えたくないし。くたばっちまえよ
全て魔法ではないのだ。恋愛は催眠だし、信じたいものほど簡単に崩れるし、自分を磨くのも壊すのも自分だ
私にそっくりな誰かを演じている気分になる
ゆらゆらと流れる生暖かい空気に身を任せていたら本質を落とした、己が生きる核となるものを見事に粉々にした
私が死んだら泣く人だっていることを理解してる
なんだかごめんなさい
夢見る頃を過ぎて、明日がくることを拒んで、惰性で生きるその先からが私の始まりなのかもしれない